ハードからソフトへ 公務員は何を学んできたか 文学・芸術 古代~近世

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ハードからソフトへ 公務員は何を学んできたか 文学・芸術 古代~近世

 

うぷ主昔、国家公務員試験に挑戦しました。

 

残念ながら最終合格はできませんでしたが、

一次試験なら突破できた試験種も幾つかあります。

 

そこで得た知見は、つまらないものも幾つもありましたが、

「へえ! そういうものの見方もあるんだー!!」って感心した知見も幾つかあります。

 

受験生からすればしんどいだけの勉強でしょうが、

一般の方にも「そういうものの捉え方があるんだ」というのはぜひ紹介したいです。

 

民間の方には関係ないでしょうが、

  • 公務員がどんな勉強してきたのか
  • 公務員受験生がどんな思考回路か

は、純粋な民間就活しかしてこなかった人とは感覚が違う部分がありますし、

公務員という人の ‘生態’ を知る上では参考になる要素ではないでしょうか!?

 

報道とか見てると

「何でこんな事すんの!?」

「もっとこうした方がいいのに…」

と思う機会も多いでしょうが、少しはそういった理解を深める参考になるかもしれません。

(ならないかもしれませんが(苦笑))

 

このシリーズを通して、僕は一般の方に、

  • 公務員がどんな勉強して公務員になったのか
  • 公務員受験生が何を考えてるのか

を知っていただければなあと思っています。

 

受験生向けに書いとくと、

こんなの読んで試験対策になる程、公務員試験は易しくないので、本当に対策する方はよりきちんと勉強なさるのを強くお勧め致します。

 

…そもそもうぷ主、最終的には試験に受かりませんでしたからね(泣)

 

今回ご紹介するのは、教養択一試験の人文科学:文学芸術です。

 

特に芸術について記述していこうかと。

 

まずは試験そのものの解説からすべきな気もしますが、

それまでしだすと返ってややこしくなりますので、いきなり科目の説明をさせて頂きます。

 

 

「芸術」とは

 

そもそも、公務員試験でいう ‘芸術’ とは何なんでしょうか!?

 

ざっくり結論から書いちゃいますと、

「どの地域でどんな芸術が流行ったか」

です。

 

‘芸術史’ とでも書くべきかな!?

 

高校の歴史の文化史で出てきそうなのが大半ですね。

 

なので歴史の勉強とシナジー効果が高い分野です。

 

絵の描き方とか、十二色相環とか、彫刻の彫り方とか、

実際に芸術家としてやっていく為の知識や技術やらは勉強しないです。

 

あくまでも ‘教養’ ですからね!

 

公務員試験の芸術は、40問(試験種によって前後します)とかある内、出て1題とかなので、

正直、捨て科目にしたり「これ1冊で…」な参考書でやっつけで勉強したりする人が殆どです。

 

かくいううp主もまともに勉強した記憶がありません…

 

なのでどうしても紹介する内容が荒くなってしまいますが、そこはご容赦下さい(苦笑)

 

 

古代

 

 

古代エジプト

 

古代エジプトは余りにも有名ですね。

 

特にピラミッド。

 

ただ、忘れてしまいがちなのはオベリスク。

 

例えばこんな物

 

近代なって、エジプトを植民地にした欧州が影響を受けたりしてるので、

欧州に旅行に行った事がある方なら見たかもしれません。

 

欧州由来の建造物と思ってる方もいるかもしれませんが、本舗はエジプトです。

 

 

ローマ

 

欧州の文明は大体この辺りからですね。

 

ローマといえばコロッセオが有名ですが、

風呂文化は意外と見落としがち。

 

ローマ人てお風呂大好きなんですよ!

 

英国南部にバースという地名があります。

 

嘗てローマ人達が英国にまで支配を広げた時、この地に風呂を造りました。

 

想像つくでしょうが、風呂という意味の英単語bathは、このバースという地名からきています。

 

 

ギリシャ

 

古代ギリシャといえば、パルテノン神殿が有名ですね。

 

観光地としても名高いですが、

柱の造りも有名ですね。

 

エンタシスといって、中央から上にいく程細くなる。

 

日本の法隆寺にも似た形の柱があるので、「法隆寺は古代ギリシャから影響を受けた」説があります。

 

一昔前の美術の教科書にはそれがまことしやかに書かれていましたが、

最近はどうもこの説は嘘として扱われているっぽいですね。

 

古代ギリシャ美術では、彫刻も有名です。

 

ミロのビーナス

とか

サモトラケのニケ

(Wikipediaから引用)

とか

 

ミロのビーナスは、お○ぱい丸出しの女性の彫刻なので、中学美術の資料集に載ってると、その頁がエ○本と化しますが、

一般的には腕がないのが評価されています。

 

ある批評家曰く、「どんな腕だったのか逆に想像力を掻き立てられる」と。

 

「どんな妄想やねん」と思いますが!

 

サモトラケのニケも首がないです。

 

‘1本大満足’ 的なのはギリシャ美術のノリなんでしょうかね!?

 

因みにニケの綴りはNikeですが、

英語読みすると「ナイキ」です。

 

ナイキブランドはこのニケから取ってるんですって!

 

へぇ!

 

 

中世

 

中世は文化面では受難の時代だったと、よくいわれます。

 

「暗黒の中世」ですね。

 

文学においては特にこの傾向が顕著でしたが、

芸術はそうでもなかったみたいです。

 

建築が発展する需要があったからですね。

 

ゲルマン民族大移動もあって、キリスト教を知らない異民族に権威づける必要がありました。

 

郷に入りたのに「俺らには俺らの教えがあるんじゃ」っつってる異民族と、いつまでも喧嘩してらんないでしょ。

 

この当時、「俺達はお前らより凄いんだぞ」っていうのを示す為の方法は限られてて、

  • 軍事力でやっつける
  • 大きな物を造る

 

ヤってしまったらだめですね。

生きたまま信仰して貰いたいんですから。

 

そうなってくると、もう方法は1択で、

 

なのでキリスト教会は中世は巨大な教会を建設するのに腐心します。

 

 

ビザンチン様式

 

正確には、その前にバシリカ様式というのがあるらしいのですが、

うp主自身、余り深くは習わなかったので飛ばします。

 

大したネタがなかったんでしょうか…

 

ビザンチン様式自体は5世紀前後に東ローマ帝国で興りました。

 

現在のトルコの辺りですね。

 

なので、ゲルマン民族が移動してきた西欧とは少し場所がずれます。

 

混同しないで下さい。

っていっても、ややこしいですよねえ…

 

ビザンチン様式の特徴としては

  • 割と派手
  • ドームの屋根
  • モザイク壁画

があります。

 

ドームとモザイクはイスラム教の影響ですね。

 

この辺、今でもそうですが、キリスト教圏とイスラム教圏の境ら辺ですから。

 

先に東方で建築が発達したのにはもう1つ理由がありまして、

 

この時代の西欧はローマカトリックが支配していましたが、

カトリック教会は数学科学ができる奴を異端扱いしていました。

 

異端とされたのにいつまでも留まってたら処刑されてしまいますから、

この時代、理系のお勉強ができる人達は西欧から逃げていきます。

 

逃亡先となった東ローマ帝国で科学技術が発達した為、大きな建築物を造れました。

 

今の時代にもいえる話ですが、

余りにも非合理な因習がまかり通ってると、その社会は衰退していくのは、よくあるんですな。

 

建築ではないですが、

「イコン」というのもあります。

 

「イコン」というのは、絵です。

 

主にキリスト教の聖人達が描かれてる、肖像画の様な。

 

特に東方で発展しています。

 

ややこしいですが、カトリックの方にもあるにはあります。

 

ビザンチンの方が盛んですが、ビザンチン限定ではないのでご用心を!

 

 

ロマネスク様式

 

さて、話を西欧に戻すと、次に出てくるのはロマネスクという様式です。

 

代表的な建築物は、あのピサの斜塔!

 

この時代、キリスト教が特に厳格で、ビザンチン様式と違い、余り派手ではなかった様です。

 

敬虔なのはいいですが、

それが必ずしも人類の発展に貢献するとは限りません。

 

その代表がアーチ。

 

アーチってのは、図の様な奴ですね。

 

丸っこい形で上の重量物を支える。

 

欧州の建築では、アーチは建物を支える非常に重要な構造です。

 

ロマネスクの時代の主流は円形アーチ、又は半円アーチとよばれるアーチ。

 

名前の通り、真ん丸を半分に割ったアーチです。

 

まあ、これでも建物を支えれるっちゃ支えれるんですが、

アーチの先端をとんがらせた方がより重量物を支えれるそうです。

 

すいません…

うp主はばりばりの文系なので、そういう構造計算の仕組みはからっきしです…

 

じゃあ何でロマネスクの時代、円形アーチが主流だったのかというと、

「綺麗な円の方が重い物体を支えれる」と信じられていたから。

 

「神様はこの世を完璧にお造りあそばされた」

「故に完璧に近い形の方が重い物をのせるに適している」

とまあ、こういう理屈ですね。

 

「完璧に近い形の方が重い物をのせるに適している」というのは、

よく言えば信心深いですが、

悪く言えば単なる迷信にすぎませんね。

 

 

ゴシック様式

 

この頃になってきますと、流石に経験が蓄積されていきますから、

迷信一辺倒より全然ちゃんとした建築ができる様になります。

 

先程お話ししたアーチなんかもその代表例で、

「真ん丸より半分よりも先端を尖らせた方がいい」のに気づきます。

 

先端を尖らせたアーチを「尖頭アーチ」といいますが、これがゴシック様式の象徴となっていきます。

 

ビザンチンやロマネスクの時代にも大聖堂はありましたが、

尖頭アーチの登場によって更に建築物を大型化できる様になります。

 

代表的なゴシック様式の大聖堂はこの辺りでしょうか!?

 

独:ケルン大聖堂

英:カンタベリー大聖堂

仏:ノートルダム大聖堂

 

カンタベリー大聖堂は、あの有名なハリーポッターのロケ地としても使われたそうです。

 

多少覚え易いですね。

 

注意しなければならないのは、先程も言いましたが大聖堂は何もゴシックだけではありません。

 

ロマネスク時代の大聖堂は、例えばこんなのです。

 

仏:ピサの大聖堂(斜塔がある大聖堂です)

独:マエンツ大聖堂

 

ビザンチンにも大聖堂はあるらしいです。

 

ここら辺、公務員試験で引っ掛けてこられたら面倒ですね…

 

大聖堂は上から見ると十字架の形をしてるのが一般的だとか。

 

豆知識としてどうぞ!

 

中世の建築は、大聖堂を大きくするのに費やしたといっても過言ではないでしょう。

 

 

近世

 

 

ルネサンス

 

長い長い中世が終わると、次はルネサンス。

 

ルネサンスも建築は引き続き発展します。

 

例えば

サン・ピエトロ大聖堂

とか。

 

他を言い出すと面倒臭いので割愛しますね。

 

ですが、ルネサンス期は、絵画も重要な着目点になってきます。

 

ルネサンス期を代表する画家としては、

  • ボッシュ
  • ダビンチ
  • ラファエロ
  • ミケランジェロ

があげられます。

 

ルネサンス絵画の特徴として、遠近法が確立されました。

 

遠近法、

遠くの物程小さく、近くの物程大きく…

 

当たり前じゃんと思うでしょうが、

でもそれを確立できたのって、ルネサンスになってからなんですね。

 

ルネサンス絵画の例を見てみましょう。

 

  • 受胎告知=ダビンチとベロッキオの合作
  • 岩窟の聖母、最後の晩餐=ダビンチ
  • 聖母像=ラファエロ
  • 天地創造、最後の審判=ミケランジェロ

 

特徴として、聖書の場面が題材になっています。

 

ルネサンスは、中世の間ずっと権威を握り続けたローマカトリックへの疑問•反語の色合いがありましたが、

題材として引っ張ってきたのはキリスト教。

 

何かの皮肉でしょうかね!?

 

題材はキリスト教が多いですが、

より肉体美を追求した描き方等に、ギリシャ•ローマへの回帰が見られます。

 

言い忘れてましたが、ルネサンスというのはギリシャ•ローマへの回帰の運動です。

 

ギリシャ•ローマ時代は、人間の強さ、美しさを表現する芸術が盛んでした。

 

ミロのビーナスなんかがその代表格ですね。

 

所が中世になると「迷える子羊」的な感じで人間を弱く、罪深いとしたんです。

 

ルネサンスというのはそれに対する反発ですから、

「昔はよかったよね」って、ギリシャ•ローマを回顧するのは自然な流れですね。

 

 

様式主義

 

マニエリスムという呼び方の方が一般的ですかね。

 

マニエルとは英語ではマナー、即ち決まりや様式ですから。

 

ルネサンス後期頃なので、正確にいえばルネサンスの一部です。

 

ルネサンスとバロックの過渡期の期間です。

 

ルネサンスに確立された表現法、例えば遠近法なんかを様式にまで高めました。

 

まあ、それ位覚えておけばよいでしょう。

 

 

バロック様式

 

ルネサンス、細かくいえばマニエリスムを含みますが、の次に出てきたのはバロック様式です。

 

バロックの特徴の1つは、芸術の中心の西欧への移転です。

 

確かに始まったのは伊国みたいですが、

後期になってくると主に西欧、より絞ると仏国が中心になってきます。

 

ルネサンスはギリシャ•ローマへの回帰運動でした。

 

バロックは、諸説ありますが、大体17世紀頃(16世紀末~18世紀初頭)ですから、

この頃になると欧州の中心は地中海沿岸から仏近辺に移ってきます。

 

「ギリシャやローマを見習ってばかりじゃなー」とはなってしまいますよね。

 

よって芸術の脱ギリシャ•ローマ化がバロックの大きな流れになります。

 

もう1つの特徴は、

比較的自由奔放である点。

 

特にルネサンスと比較してね!

 

ルネサンスは、特に末期にマニエリスムが出てきた様に、比較的かっちり芸術だったんですね。

 

既存に対しておかしいんじゃないかというと、いかにも尾崎豊的な無法地帯を想像しますが、

意外ですね。

 

なので、少なくともルネサンスと比較すると自由奔放な芸術がバロックの特徴です。

 

建築物で有名なのが仏国のベルサイユ宮殿。

 

バロック期の有名な画家達をあげると、

  • ベラスケス
  • レンブラント
  • フェルメール
  • ルーベンス

辺りでしょうか。

 

バロック絵画の特徴として、陰影がしっかりしていますね。

 

特にレンブラントがそうらしいですが。

 

結構影が強調されてたりしますから、絵全体が暗い感じがします。

 

後まあ、これは教養というよりトリビアですが、

フェルメールは絵を描く時に針穴写真機を使ってたそうです。

 

へえ!

 

 

ロココ様式

 

バロックの次に出てきたのがロココ様式です。

 

ロココの特徴は建築、それも内装にあります。

 

バロックと比べて、より美しく繊細なんだそう。

 

貝殻の曲線を印象づけるデザインも特徴です。

 

といっても、うp主の目ではバロックとロココの違いを識別できませんでしたがね…泣

 

建築物として有名なのが小トリアノン宮殿。

 

ベルサイユ宮殿と同じ敷地にあって、ベルサイユ宮殿の離宮です。

 

ベルサイユ宮殿自体はバロック建築なので、ややこしい所ではありますが、

こういう風にロココの影響も少なからず及んでいるんですね。

 

絵画ではゴヤのマハシリーズ(裸のマハ、着衣のマハ)が有名です。

 

 

前半の纏め

 

如何でしたか!?

 

とりあえず古代から近世までの芸術をみてきました。

 

個人的に印象深かったぶかかったのは、時代が進むにつれて建築の重要度が下がって絵画の重要度が上がる点。

 

時代や社会が進む程、ハード的なものよりソフト的なものの方が重要度が増す。

 

まあ、何をもってハードとするかソフトとするかは難しいんですが…。

 

これは何も芸術史に限った話しじゃなくて、

現代にも言えるでしょう。

 

戦後の高度成長期はハード的なものの発展が目ざましかった。

 

高いビルが建って、

車が町中を走って、

便利な家電が沢山増えて…、

 

所ところが、コンピュータの登場によって、ソフト産業の重要性が高まります。

 

その波に最ものれたのは、マイクロソフトのビル•ゲイツさんでしょう。

 

2010年代の後半には、GAFAと呼ばれる企業が台頭しました。

 

勿論ハードはハードでなくてはならないものですし、

ソフトだって不安定な業界です。

 

フェイスブックが失速してるのからも明らかですし。

 

ですが、ハードからソフトへという流れは、現代になって始まったものではない事を芸術史が教えてくれています。

 

単なる教養以上の学びがあるとうぷ主は思いましたが、皆さんは如何でしょうか!?

 

 

 

動画はこちらで公開しています。

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