人権享有主体性

Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加
はてなブックマーク - 人権享有主体性
このエントリーをはてなブックマークに追加

人権享有主体性

 

人権をもつ人間の皆さん、今日は!

 

皆さんがもつ人権は、憲法上非常に大切なものです。

 

人権が大切なのはいうまでもありませんが、

人権というのは、与えられる人によって中身が異なってきます。

 

今回は、誰に、どんな人権が保障されるのかを解説します。

 

 

未成年

 

未成年者にも当然、人権が保障されます。

 

でも喫煙や飲酒はできないし、結婚や財産権の行使にも制限があります。

 

こういう制約は、パターナリズム、又は家父長主義といいます。

 

未熟な人を上から守ってあげる、って発想です。

 

家父長主義が認められる要件として、

1.回復できない損害の回避

2.手段が必要最小限度

であれば制限可能です。

 

逆にいうと、挽回可能な失敗ならどんどんしていって、そこから自由の楽しさや怖さを学ぶべきです。

 

ある年齢まで保護されまくって、ある年齢からいきなり保護が外されたとしたら、

その瞬間にボコボコにされますやん!

 

家父長主義は、1人前になる為の最小限の措置であるべきです。

 

 

外国人

 

外国人にどんな人権があるかを解説する前に、イェリネックの3分類を紹介させて下さい。

 

イェリネック先生は、独国の公法学者で、自由を、3つに分類しました。

 

その3つとは

1.国家からの自由

2.国家による自由

3.国家への自由

 

国家からの自由とは、一言でいえば「ほっといて!」

 

詰り国家権力に邪魔されない自由をいいます。

 

国家による自由とは、一言でいえば「助けて!」

 

生活保護の様に、国にあれこれ世話してもらう自由をいいます。

 

国家への自由とは、一言でいえば「仕切らせろ!」

 

参政権や公務員受験の様に、自分達で自分達の国を運営する権利をいいます。

 

その上で、外国人に人権は保障されるのでしょうか?

 

日本国憲法の第3章には、「国民の権利及び義務」と書かれています。

 

文言上は、あくまで日本国民にしか人権を与えないかにも読めるんですね。

 

然し、一般には外国人にも人権はあるとされます。

 

理由は

1.人権の前国家的性質

2.国際協調主義

 

人権の前国家的性質とは、

人権というのは概念として、国が誕生する前から天から人々に与えられた、と考えています。

 

であれば、国どうこうで人権の如何が変わるのはおかしいんですね。

 

国際協調主義の観点でいうと、

日本人以外に人権は認めないというと、やはり外国との軋轢を生みますから、これも宜しくない。

 

というので、外国人にも人権はあります。

 

じゃ、日本国民と全く同じ人権が保障されるのかというと、それも違います。

 

憲法22条2項には、国籍離脱の自由が規定されていますが、

これを外国人にもあてはめると、例えば米国民の米国籍離脱の自由を日本国憲法が保障してしまいます。

 

これでは米国の主権侵害です。

 

そういう事情もありますので、外国人に保障される人権の性質は、日本国民とは違うと解するのが一般的です。

 

どう違うと解するのかというと、

1.文言説

2.性質説

の2つの説があります。

 

文言説は、「国民は~~」と書いてあったら日本国民だけの人権、

「何人も~~」と書いてあったら外国人にも及ぶ、と考えます。

 

分り易いですが、

さっきの22条2項の国籍離脱の自由で破綻してしまいます。

 

というのも、国籍離脱の自由は「何人も~~」と書かれているので、文言説で考えれば外国人にも保障されるとなってしまうからです。

 

そこで、通説は性質説となっています。

 

性質説は、「権利の性質上日本国民を対象としてる権利を除き、外国人にも等しく人権が及ぶ」とします。

 

そこで問題は、どういう権利が性質上日本国民を対象としてるのか、です。

 

それは、

その人権が前国家的か、後国家的か、です。

 

後国家的人権は、国があって始めて与えられる人権で、

イェリネックの3分類でいうと、国家による自由と国家への自由です。

 

日本国民だから助けてもらえる、日本国民だから日本国を仕切るのであって、

これらは外国人への保障は憲法は予定していません。

 

 

参政権

 

外国人と参政権の関係はどうでしょうか?

 

まず外国人に参政権は保障されていません。

 

なぜなら後国家的だから!

 

それでは外国人に参政権を与えてもいいんでしょうか?

 

国政では禁止です。

 

国民主権に反するからです。

 

地方では許容されています。

 

詰り、外国人の地方参政権は、憲法上保障も禁止もされていないので、民主主義が決める領域です。

 

 

東京都管理職選考試験事件

 

在日韓国人の東京都職員が、管理職への承認試験を受験しようとしたら、受験資格の国籍条項を理由に受験拒否されました。

 

そこで在日韓国人の職員が訴訟しましたが、負けました。

 

地方参政権は憲法上は許容ですので、

国籍条項を設けるのは自由です。

 

なので、この国籍条項は違憲じゃなかったから、負けたんです。

 

 

社会権

 

社会権も後国家的権利です。

 

なので外国人への保障はありません。

 

例えば、障害福祉年金の受給対象から外国人が外されていましたが、

これも憲法上は許容なので、後は政治がどう決めるか、です。

 

現在は外国人も受給対象ですが、

受給対象にするかどうかは、憲法上の保障はなく、法律で自由に決めていいんですね。

 

 

自由権

 

自由権の殆どは前国家的権利ですので、外国人にも等しく人権が及びます。

 

但し、入国•在留•再入国の自由は後国家的権利ですので、

憲法上の保障はないです。

 

唯一、出国の自由は後国家的権利ですが、外国人にも及びます。

 

出国の自由の保障は、国際的な流れでもあります。

 

出ていってもらった方が、法的には楽なんでしょう。

 

 

マクリーン事件

 

米国人のマクリーンさんが、日本在留中に「安保条約反対」「ベトナム戦争反対」とデモ行進しました。

 

それを知った日本政府は、在留延長を拒否しました。

 

そこで訴訟になりました。

 

まず在留の権利ですが、後国家的なので、憲法上の保障はありません。

 

なので、在留していいかは行政府の決定次第なので、

延長拒否したとしても違憲ではありません。

 

次に政治活動の自由ですが、政治的意思決定や実施に影響を及ぼすものでない限り、外国人にも及ぶと判示されました。

 

「政治的意思決定や実施に影響を及ぼす」とは、例えばテレビ局の買取が当ります。

 

テレビって、割と法律でがんじがらめにされているので、なかなか好きにできないんですね。

 

逆にいえば、デモ行進とかは好きにやって大丈夫です。

 

但し、在留期間更新の際に、政治活動の内容を評価される事がありえる、と判示されました。

 

理由としては、外国人の人権は、在留制度の枠内で与えられてるにすぎない、との事です。

 

詰り、デモ行進自体はやってもいいけど、在留期間更新の際にマイナス評価されても仕方ない、というのが判示です。

 

デモ行進はやってもいいというのは評判いいですが、

在留期間更新の際にマイナス評価されうる、というのは、評判が悪いです。

 

 

指紋押捺拒否

 

米国人宣教師が、外国人登録の際の指紋押捺を拒否して起訴されました。

 

最高裁は、「みだりに指紋押捺を強制されない自由は外国人を含む何人にも及ぶ」と判示しました。

 

じゃあ外国人登録の指紋押捺拒否は違憲かというと、合憲です。

 

理由は、この指紋押捺は ‘みだりに’ ではないからです。

 

3年に1度とか、

必要性•合理性がある、とか、

そういう点で ‘みだり’ とはいえない、という事ですね。

 

 

法人

 

法人とは人の集まりを法的に1人の人間扱いしたものです。

 

法人にも人権は及びます。

 

理由は社会で重要な地位で活動する実態があるからです。

 

但し、選挙権、生存権、人身の自由はありません。

 

 

八幡製鉄政治献金事件

 

八幡製鉄が自民党に政治献金しました。

 

そこで、自民党が嫌いな株主が訴えました。

 

判例は、会社には政治献金の自由がある、と判示しました。

 

 

南九州税理士会事件

 

税理士会が自民党系の政治団体に寄付する為、会費の追加徴収しようとしました。

 

所が1人の税理士が、徴収を拒否しました。

 

その為、税理士が不利益処分されました。

 

そこで裁判になりました。

 

裁判は、税理士の勝ち!

 

八幡製鉄では個人が負けましたが、南九州では個人は勝ちました。

 

この違いは何なのか?

 

まずは目的

 

会社は営利目的だから、儲けに繋がる献金はやっていいのです。

 

一方、税理士会は公益目的です。

 

所が、今回の献金はどうも、公認会計士よりも優遇してほしい目的があったみたいです。

 

その点で、公益目的の税理士会が銭儲け目的の献金の為の徴収するとは何事だ! というんですね。

 

もう1つは加入の任意性です。

 

八幡製鉄の場合、会社の献金が嫌な株主が訴訟した、株主代表訴訟です。

 

でも、八幡製鉄の献金が気に入らなかったら、株を売払っちまえばいいだけです。

 

その会社が気に入らなければ、株を売ればいつでもその会社との縁を切れますから!

 

一方、税理士会は強制加入です。

 

だから「気にいらないから抜ける」っていうのができないんですね。

 

強制加入団体が偏った政治活動するのは、構成員の人権侵害に繋がる場合がある、という判断です。

 

 

群馬県司法書士会事件

 

阪神大震災で被災した兵庫県司法書士会に義援金を送る為、群馬県の司法書士会が登記事務1件当り50円の徴収をしました。

 

この追加徴収を嫌がった司法書士がいた為、裁判になりました。

 

司法書士会も、税理士会と同じく強制加入団体ですが、

今回の追加徴収は適法有効とされました。

 

判例は、今回の徴収は司法書士会の目的の範囲内と判示しました。

 

これだけを読むと、判例は「いい事だから強制してもいい」と、思想を強制してる様にも読めます。

 

「募金では心が伝わらん!」

「俺は実際に兵庫に行く!」

って言ってる人も追加徴収されてしまう可能性があります。

 

然し、次の理由は納得できます。

 

判例は「負担額が少ないから」とも判示しました。

 

1件の登記事務に対して、たった50円ですからね!

 

その位の金額の負担で思想の強制とか「まじめに言ってますか? 意地はってるだけでしょ!?」っていうのが判例の本音でしょう。

 

 

特別権力関係

 

特別の公法上の原因により成立する、公権力と国民との特別な法律関係の概念を「特別権力関係」といいます。

 

包括的支配を受け、命令や懲戒を受け、法治主義や司法審査が排除されます。

 

例えば公務員、在監者、国立大学の学生がこれにあてはまります。

 

こういう概念が昔あったんですが、

現在では不要な理論といっていいでしょう。

 

なぜなら

1.人権は不可侵

2.法の支配

3.憲法41条

によって、人権が保障され、法治主義や司法審査も及ぶと解されるからです。

 

勿論、特殊な関係上の制約を受けるのはありますが、

それは各法律関係毎に考えるべき、とするのが現在の通説です。

 

考えたらそりゃそうで、

公務員と在監者と大学の学生が同じというのは余りにも雑な議論であって、

それぞれの特性に応じた権限や制約を与えるのはごく普通です。

 

 

終りに

 

如何でしたか?

 

今回は、誰にどんな人権と制約があるかを書きました。

 

細かい部分は本部を読んで頂きたいですが、

それぞれが必要に応じた制約があるんですね。

 

YouTubeでは動画を公開しています!!!

 

ご要望、ご質問、その他コメントは、以下動画から願います!!!

 

タイトルとURLをコピーしました