実際のところ、 ‘法学’ ってどうなのか??

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僕は法学部生です。

なんて言うと世間はいろいろ言ってきます。
(別に悪口とかじゃないですよ!!!)

話を聞いてて思うんですけど、
世間で思われてる法学とか法学部のイメージって、必ずしも正確とは言いがたいなあーって。

なので今回は僕が思う ‘法学’ について書きたいと思います。

一般の皆さんはもちろん、法学部に入りたいと思ってる生徒さんなんかも参考になるんじゃないかと思います!!!
(逆に書くと参考程度のアテにしかならんのですがね(笑))

法学部生はほとんどの法律を知らない

まあ誤解を招きそうな表現ですね!!

どういうことかと書くと

法学部やったらこんな法律知ってる・あんな法律知ってるみたいに思ってる人いそうなんですが、
日本に何千個ってある法律のうち、ほんの十数個とかですからね!!
それでも多いくらいですけど!!!

基本は6法といわれる、
憲法・民法・刑法・商法・刑事訴訟法・民事訴訟法
に選択とかで
行政法・国際法・労働法・破産法・…
とかが肉付けされる感じで、
だいたいは司法試験に関連する科目を学んでいくことになると思ってもらえると、まあ ‘ハズレ’ ではないですね。

例えば仕事なんかしだすと一連の「業法」といわれるものについて知識が入ってきたりしますよね。

「貸金業法」とか「建設業法」とか…

そういう法律に関しては法学部生に聞いても返ってくる答えは案外いい加減だったりしますよ!!!

学部4年間でそんな細かい法律まで勉強してる余裕ないですし、
法学部生が将来的に求められるのはそんなニッチかつ特殊で、「その世界でしか通用しません」みたいな素養ではないはずですからね!!

道路交通法とかそんなのも習いませんよ!!

免許を取る時に勉強する法律だから当然法学部生もそれなりに知ってんのかなあと思いきやほとんど知りません!!!

せいぜい一般常識程度!!

ああいうのは覚えたらしまいですし、論点は少ないんで!!!

‘法律’ と ‘法学’ のちがい

「法律」と「法学」ってそもそもちがうんかい!!? って話ですよね!!?

結局これも捉え方の問題なんですけど、僕はちがうと思っています。

‘法律’ っていうのは
「何法何条に何が書いてある」っていうこと。

‘法学’ っていうのはそっから何を生み出すかなんです!!!

さっき「業法」とか道路交通法の話を書きましたけど、あの手の法律、もっと書くと実社会で一般人が関わる法律の9割は
「書いてある通り」
、じゃないですか!!?

法律に書いてある通りのことをやっとりゃ何の問題もないわけでしょ!!?

でも ‘下等’ っちゃ失礼でしょうけど、
6法全書を見たら書いてるようなことただただ暗記するのが法学の勉強の王道じゃないんです!!

僕、思うに、
法学は ‘解釈学’ であって ‘説得学’ だと。

‘解釈学’ について

先ほど「論点」て単語だしましたが
法律の文章って極めて抽象的な書き方してるんです!

そこで、
その文章をどういうふうに読んだら正義にかなうか
どういうふうに読むべきか

それを、例えばその条文の趣旨にさかのぼったり、あるいは個別の事案の状況なんかと照らし合わせて考えていくんです!

そうして
法律という1つの ‘物語’ からは外れずに
かつ
あるべき結論にもっていくように
‘解釈’ するんですね。個別の条文を!

つまり
もう欲しい答えは先にあるんですよ!!!

で、その ‘答え’ にあうように法律を読んでいくんです!!

このことを「よくない」って思う人いるかもしれませんが、
そもそも法律自体も狙いをもって書かれてますんでね!!!

あるべき姿を実現するために書かれるもんですから!!

「車は左を走りましょう。終わり。」
みたいな、そんな何の解釈もないようなもののためにわざわざ法律を ‘法学’ なんて学問にまで高める必要ないでしょ!!?

だからこそ解釈次第で社会が大きく変わってしまうような法、例えば憲法なんかは、まさに法学部が勉強すべき法分野といえるでしょう!!

‘説得学’ について

ある大学の、それも法学界ではかなり有名な先生が言ってたと、間接的に聞いたことがありますが、
「なんでその条項を使うのか? その説明の部分に点をつける」と。

「それが決まりです」で全てが通るなら楽ですけど、
日本の法律は死刑判決さえ書けるんですからね!!!

だからこそ、僕に法律を教えてくれた予備校のG先生がおっしゃってましたけど、
「『なるほど! 俺が悪うござんした。』って言って、納得して死刑台にあがってもらわなあかん」と。

実際はそこまで納得してもらえることはほとんどありませんが、
しかし時として、法律は回復不可能なことや、多くの人に影響を与え・場合によっては人生を変えてしまう効果をもたらす以上、
時に人の命を奪うことを正当化する相応の理由がいるんです!!!

「だって法律にこうかいてあるん、だもん!!!」
なんて言ってると
「お前は機械か!!!」
って話なるんです!!!

自分の財産が奪われたり家が土地収用されたりすんのに「ルールはルールですから」なんて役所の人にいわれたら腹立つでしょ!!?

なぜこの法律をあなたに押し付けなければならないのか
が説明できるってことは、ソレすなわち法律の目的やら解釈やらそういういろんな要素が備わってないといけないことですし、
「何法何条を覚えておしまい!」
ってそんな単純なもんじゃない以上そりゃあ学問として発展する余地はあるでしょう!!!

法学の限界

何度も書いていますが、法学は「条文を知っておしまい」ではなく、
そこから何が生まれるかという、非常に創造的な学問です。

ただ、まあ限界もあります。

ああ言えばこう言うのがめんどくさい

先ほどから書いてる通り、法学は ‘解釈学’ であり ‘説得学’ です。

てことは当然、1つの文言に対して「俺はこう考えるんだけど」→「いや、俺はそうは思わない」ってなるわけですよね。

「議論」というのは当然いわれたことに対して再反論していかないと成立しないものでありますが、
「ああいえばこういう」
っていうのは、うっとうしいと思うこと多いと思うんですね!!?

特に、他の民族はしりませんけど、日本人ていうのは妙な体育会気質が強いですから、組織行動する時なんかは嫌われやすいかと…
僕も実体験ありますけど!

条文そのものには触れない

先ほど
「 ‘法学’ は何法何条に何が書いてあるかではなく、そっから何が生まれるかだ」
と書きました。

でもそれは「今ある条文が全て正しいとしたら」の話であって、
「条文そのものが正しいかどうか」は、実は法学の領域外だったりします。

例えば憲法9条なんかがいい例なんですけど、
実は ‘法学’ において憲法9条って、世間一般の印象からは意外なほど論点が少ないんですよ!!!

勘違いしないでいただきたいんですけど、これ別に9条がどうでもいいとかそんなこといってるわけじゃないんですよ!!

しつこいようですが
憲法学でできるのは「今ある9条から何が導き出されるか」であって
「9条そのものが正しいか間違ってるか」は憲法学の仕事じゃないんです!!!

それは「政治学」の仕事。

「立法学」や「法哲学」のように、「条文そのものが正しいかどうか」を研究する法外も、ないわけじゃないですが、
法学全体からすればメジャーになることはなさそうですね!

法哲学は名前の通り ‘哲学’ チックですから、実学としての法律を勉強したがる学生が法学部に多い現実を考えると人気でることはなさそうですし、
立法学は東大みたいな、高級官僚を輩出するぐらいの、法学部でもトップクラスのところしかそもそも授業がないですし。

こういうふうに、
「世間一般で『法学部に入ったら勉強できる』と思ってること」

「実際に ‘法学’ がカバーする領域」
とでは微妙なズレがあったりしますんでね!!

一口に「法学部」といっても、同志社なんかがそうですけど、
「法律学科」と「政治学科」が中で分けられてて、同じ ‘法学部’ とは思えないぐらい全くちがうこと勉強してたりします。

ありがちなのは ‘法学部’ っていうことで政治学科を受験してしまって、びっくりするぐらい法律のこと勉強しないとか。

受験勉強でそれどころじゃないかもしれませんけど、
「自分は大学で何を勉強したいのか?」
「そしてそれは何大学の何学部の何学科にいけば勉強できるのか」
を、こと細かく調べた方がいいと思います。

せっかく苦労して大学に入ったのに ‘ミスマッチ’ とかなったら嫌でしょ!?

学歴ほしいだけならこの限りではないでしょうがね!

現状維持的

くどいようですが、法学部は「今ある決まりから何が導き出されるか」を主に研究しています。

だから ‘今ある決まり’ をよしとする傾向が強いですし、
逆に全く新しいところからのクリエイティブさについては、苦手な法学徒たちは多いでしょう。

クリエイティブさについてはビジネスの世界の方がすごいですよね。

法学徒はビジネスの世界とかで生み出されてしまった創造物に対し、
「コレにはこういう法的性質がある。 だからコレとコレは守られるべきである。」みたいな、
既存の決まりに押し込めていろんな規制をかけたがる傾向があります。

僕がビジネスやる側の人間だったら「うっとうしい」と思うでしょうねえ~

「そういうところで『法学ってカビくせーんだよなあ~』って思われるんかなあー」って思います。

法学を勉強する際のアドバイス

本当の本当に勉強してる人からすれば僕の法学の素養なんてチンケそのものでしょうが、
これでも一応5年も(苦笑)法学部にいましたし、国家総合職の択一には合格したこともある身ですので…

体系を理解しましょう!

各法律はそれぞれが1個の ‘人格’ なんですよね!

個々の条文にはその背後に趣旨・目的があったりします。

「個別の条文を暗記するような学問っはありません!!」と書いてるのはこういうこともあるわけで、

法律を人間だと思えばいいんです!!!

人を判断するのに、その人の手とか足とか爪とかで判断したりはしないでしょう!!?

性格とか顔とか日頃の言動とか、そういうの総合的に見て判断するじゃないですか!!?

法律も同じで、
個々の条文を覚えるだけだと「何万個覚えなアカンねん!!?」ていう話なるわけです!!

そうじゃなくって、
まずその法律の趣旨やら体系やらをしみじみ理解するんです。

そして、
例えば5肢択一問題とかだと、各選択肢が体系やら趣旨やらに合ってるか考えるんです。

そうすることによって、判例とか条文とか、知識としてしらんくっても解けるんです!!!

僕個人としては、 ‘鍵と鍵穴’ みたいなもんかなあと思っています。

どれがどの鍵だったか忘れたけど、さして回してさして回してしてるうちにガチャってなって「開いた~」みたいな!!?

これが「リーガルマインド」ってやつですよ!!!

全部の法律にあてはまるわけではありませんが…
行政法みたいに力ずくで暗記しなきゃいけないような法律科目もあるにはあるんで!!

でも憲法とか民法とか刑法とかは、
趣旨体系を理解し、事例と結論にあてはめて ‘解く’ んです。

事例と結論を暗記するような勉強は、法学の勉強の王道とは言いがたいと思います。

「目的既定」を読もう!

これも全部が全部ではないんですが、「目的既定」と呼ばれる条項を持ってる法律があります。

だいたいはその法律の ‘巻頭’
にあたる部分・1条とかなんですけど。

あるいは1個の法律の各章の中で、目的既定に準じるものがあったりします。

これは理解しておくことをオススメします!

例えば著作権法の1条には
「この法律は…~…著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする
って書かれてあるんですね。

もちろん原則的には著作権者を守るんですけど、
最終目的は “文化の発展に寄与すること” ですから、
場合によっては権利者であっても保護しませんよという意味も含意されてるんです!!!

だから
もし判断に迷った場合は
・著作権者に手厚くした方が ‘文化の発展に寄与’ するのか
・例外的に著作物を自由に使いたい側を守った方が ‘文化の発展に寄与’ するのか
を考えると、慣れてくれば裁判官と同じような結論を出せると思いますよ!!!

こういうのも ‘リーガルマインド’ なんですね!!!

終わりに

いかがでしたか??

僕が思う ‘法学とは!?’ から 法学のクリエイティブなところ・めんどくせーところ、いろいろ書いてきましたけど、

もし「おもしろい」と思うんであれば、ぜひ法学の門を叩いてみてはいかがですか?
もっとも法学の宣伝したところで僕には何の利益もないんですがね(爆笑)

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