防衛大学校入校前の心境
防衛大学校受験にて、すばらしくも防衛大学校に合格しました。
過去問1回目で廿数問中4問しか正解できなかったのと比べると、短い間に成績が急上昇しました。
神の思召しがあったかの如く受かった防衛大学校ですが、
いざ入校となると、途端に内定ブルーならぬ ‘合格ブルー’ になってしまいました。
その折を書いていきましょう。
行く気なし
元も子もない自白ですが、実は防衛大学校に入ろうとは、当初は思ってなかったんです。
「じゃあなぜ受験したんだ!?」ってお叱りがあるかもしれませんが、
まあ読んで下さい。
私が真に興味があったのは自衛隊じゃなくて防衛省なんです。
自衛官じゃなくて事務官に興味がありました。
じゃあなぜ防衛大学校を受験したかといえば、
自衛隊や自衛官への人脈作りができると考えたから。
仮にも高校は進学校でしたが、
己で己を「頭いい」とは思っておらず、キャリア官僚で防衛省に入るのは無理だろうと…
そうするとノンキャリになるが、
であればキャリアに比べて色々不利だろうと。
そこで自衛隊に人脈があれば、ノンキャリの不利さを挽回できるだろう。
そう考えての受験でした。
地方協力本部の人には、入ったのは一般大学だが、予備自衛官の先輩を紹介して貰ったのもあり、
かなり調子に乗ってました。
自衛官や防大生が聞いたら激怒しそうな動機ですが、
当時の私の本音なのです。
入校へ
ではなぜ防衛大学校への入校を真剣に検討しだしたのでしょうか?
しょぼい理由ですが、他の一般大学に落ちたから。
厳密にいえば、1つ私立大学に受かってたので、私立大学に入学する選択肢もありました。
ですが私立大学へ入学する選択肢は取り辛くて…
防衛大学校を受験しようとした当初、私は防大受験を秘密にしていました。
だけど一部の友には漏らしました。
人とは異なる挑戦をしてると、言いたくなるもんでね…
「君には特別にね!」とかって言いつつ…
そうこうしてると ‘一部の友’ がどんどん多くなってきて…
気がついたら学級の殆ど全員に知れ渡ってて、
もはや ‘公然の秘密’
学級からの評判も上々で、物珍しいせいか「凄い」「凄い」と言われ…
平たくいえば調子乗ったんです!
「受かっても蹴る積りだ」とは言ってましたが、
「ここまで言っといて蹴るか!?」とも思い始めてて、
気持ちの問題だったんでしょうが、蹴るに蹴り辛かったのはあります。
入校準備
受験が終ってから入校まで、私の代では約1ヶ月ありました。
その間、遊んでるだけなのもアレなので、
防衛大学校への入校準備をしました。
具体的には
・平泳ぎの練習
・物理の勉強
です。
平泳ぎの練習は、
でも書きましたので、どういう練習したかや、結果どうなったかは、この頁では割愛します。
ご興味があればぜひ
からどうぞ!!
物理の勉強ですが、
私の代にて聞いてたのは、1年生では文理問ず理系の勉強する。と。
確か、地方協力本部の人がそう仰ってたと記憶してるんですが…
大昔なので記憶違いならすみません…
一般大学でいう ‘般教’ ですかね!?
私が文系になったのは、理系が悉くだめだったから。
なので、というか、だから、というか、
物理ぐらいやっておかないと、入校してからついていけなくなったらだめですからね。
本屋に行って、基本の参考書を買って勉強しました。
物理なんて高校1年生以来ですからね。
そんなに難しかったり、応用は勉強してないです。
どこ迄やんなきゃいけないか不明だったので、
せめて基礎ぐらいは、という勉強です。
入隊予定者激励会
いつだったか忘れましたが、
入隊予定者激励会がありました。
防衛大学校のみならず、
防衛医科大学校、幹部候補生学校、曹士候補生といった、
あらゆる区分で自衛隊に入隊する予定者の激励会です。
確か、都道府県の防衛協会の主催だったかと。
最寄の駐屯地から陸上自衛隊が来て訓練展示したり、
謎の歌手がいきなり現れて陸上自衛隊の歌を歌ったり…
あの歌は謎でしたね。
軍歌っぽくもないし、
ノリもよく分らんし、
失礼だったら申し訳ないんですが、私としては「ダサいな~」と思いましたね。
歌は歌として、訓練展示が印象的で、
1対1で格闘するとか、刃物で応戦するとか、なんですが、
その折に披露されたのはあくまで ‘展示’ ですが、
もし実戦なら命懸けの戦いじゃないですか。
己が実際に殺し、殺されるのを想像してしまったんです。
国や国民の為に必要な訓練してくれてるのに失礼千万ですが、
その折の私には ‘殺す訓練’ に見えてしまいまして…
入隊がより現実味になるだけでなく、
とても恐くなったんですね。
本来、気分が高揚する会でしょうが、
私は家に帰ってからも怯えて怯えて…
泣いた…かどうか迄は覚えてないですが…
親にも怒られたんじゃないかな…
こっちも覚えてないですけど…
私にとっては寧ろ恐怖が増幅する会でした。
送別会
入校の1,2週間ぐらい前でしたけど、
学級の同性達が送別会を開いてくれました。
中身は忘れました。
カラオケだったか、食事会だったか…
集まった友達が色紙を書いてくれましてね。
だけど会が終って1人また1人と帰ると、妙に寂しくてね…
友達がどういう気持ちだったか不明ですが、
私としては妙に哀愁漂う会でした。
パイレーツオブカリビアン
防衛大学校って学生の生活空間にテレビがないんですね。
なので3月は ‘最後のテレビお楽しみ期間’ だったんです。
当時はYouTubeの黎明期、TikTokはありませんでしたから、
まだまだテレビの時代でした。
そんな折、テレビでパイレーツオブカリビアンのデッドマンズチェストが放送されました。
デッドマンズチェストって、最初は笑いの要素あって面白いんですけど、
クラーケンと、クラーケンを操る海賊船に商船が襲われ、商船の船員が皆殺しされる映像があります。
なぜか不明ですが、襲われ殺される船員と己を重ねてしまいまして。
戦じゃないんですが、
己も戦になったらあんな風に虫けらが如く殺されるんかな~と…
この折の私がいかに情緒不安定か分る話ですね。
母、泣く
いよいよ入校も迫ってきたある日、
多分私の風呂上りだと存じますが、入校について家族で喋ってたんです。
そしたら突然、母が机に泣伏しましてね…
高校までずっと実家暮しだったのが急にいなくなるからか「寂しくなる」と言っていました。
入校にびくびくしてる私に「しっかりしろ」ってする母なので、
「そういう気持ちあるんだ」って、軽く驚きました。
防衛大学校入校ではよく諭される私が、「死にに行くんじゃないんだから」と、逆に諭したのが意外でした。
前泊
防衛大学校は4/1朝に着校します。
通学のノリで行ける学生以外は、近場の宿で前泊します。
私も前泊しました。
国公立大学入試の後期日程の結果が分る迄は入校する積りなかったですから、
宿の予約がぎりぎりだったんじゃないかな。
入校予定者に防衛大学校から入校案内が送られてきます。
その中に前泊する宿が幾つか案内されてたんですが、
我々が予約するぐらいには全て満室で。
入校する積りがあるんなら早目に予約した方がいいですよ!
私みたいに「やっぱ宿の予約しなきゃ」ってなって慌てると、
その折にはいい宿は満室ですから、防衛大学校から遠い宿や、宿泊料の高い宿しか残らなくなってしまいます。
私は母と横須賀近辺のある宿に泊まりました。
多くの学生は1人で前泊するらしいですが、
当時の私にはそんな情緒もありませんでした。
流石に部屋は別でしたが。
部屋が高層だったので夜景が綺麗で、母から「夜景が綺麗だよ!」とメールが来たのですが、
「そんなの見てる余裕ない」と返信するぐらい、情緒不安定でした。
着校の前日ですからね。
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