エンテベ空港事件

エンテベ空港事件

 

前回までで国際法を1通り解説してきました。

 

今までの記事では、個別の事件や判例を佐々木紹介してきませんでした。

 

そこまでやると、返ってややこしくなると判断したからです。

 

ですが、個別の事件や判例にも、一般の人に紹介したい内容があります。

 

そこで、個別の事件や判例に絞った記事を書きたいです。

 

今回は「エンテベ空港事件」

 

国際法というより、

事件の中身が映画みたいだったので、それを書きたく。

 

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事件の経緯

 

イスラエルから仏国に向かってた仏の旅客機がありました。

 

仏国の旅客機といえど、イスラエル人が沢山乗っていました。

 

その旅客機がハイジャックされました。

 

ハイジャックしたのは、イスラエルと敵対するパレスチナの武装勢力。

 

テロリスト達は、飛行機をウガンダのエンテベ国際空港に着陸させます。

 

飛行機に乗ってた人は人質です。

 

イスラエルは、ウガンダに対し人質の解放に向け、ウガンダと交渉を重ねました。

 

所が交渉がうまくいきません。

 

それもその筈、ウガンダは実は裏でテロリスト達と通じていたのです。

 

業を煮やしたイスラエルは、軍事力によって人質の解放を極秘裏に進めます。

 

エンテベ空港にイスラエル軍をコソッと運び、一気に人質救出作戦の開始です!

 

イスラエル軍は、空港にいたテロリストとウガンダ軍を片付け、人質を殆ど全員救出しました。

 

誤射で3人が死亡し、乗客の1人はウガンダの病院にいたので救出できませんでしたが、

それ以外の人質の救出に成功します。

 

しかも、攻撃開始から撤収まで53分!!

 

他国の空港に忍込み、電光石火でドンパチやって人質を救出しました!!

 

後に映画化されたみたいですが、

本当に映画の様な事件があるんだなあと、習った時に思いました。

 

 

国際法的な意義

 

外国で危難にあってる自国民を、実力で救出するのを「在外自国民救出活動」といいます。

 

国際法的な問題点は、

領域主権の侵害です。

 

他国に勝手に侵入し、武力行使までするんですから。

 

これが違法なのか、っていうと、

当然イスラエルは自分達の行動を「違法でした。すみません」なんて言う訳ないです。

 

正当化する根拠が必要です。

 

イスラエルは「自衛権の行使だ」と主張しました。

 

然し自衛権というには無理があります。

 

自衛権というのは、敵が攻めてきた時に反撃するもの。

 

ウガンダがイスラエルに攻めたりとかはしていないので、

一般的に自衛権が想定してる状況ではありません。

 

学説上は自衛権ではないだろうというのが多数派です。

 

 

如何でしたか?

 

今回はエンテベ空港事件に絞って書きました。

 

在外自国民救出活動は、国際法的には定まってません。

 

不謹慎ながら、法的な意義より、事件そのものが映画みたいで面白いと思いました。

 

「エンテベ空港の7日間」という映画にもなったらしいので、興味ある方はぜひご覧頂ければと思います。

 

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