防衛大学校を辞めた理由

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防衛大学校を辞めた理由

 

前回まで、防衛大学校がどんな学校か書きました。

 

あれだけ書いたんだから防大’出身’かと思いきや、

実は4日で辞めてるんです。

 

今回は、なぜそんな短期離職みたいなのをしたのかという言い訳の回です。

 

「結局は根性なかったんでしょ!?」っていわれたらそうなんですが、

だけでは粗すぎるので、より深掘りしたいと。

 

 

内定ブルー

 

内定ブルーってありますよね。

 

就活した学生が内定を得たら、逆に落込む…

 

当時の私も’内定ブルー’でした。

 

ていうのも、そもそも防大は第1志望じゃなかったんです。

前回まで、防衛大学校がどんな学校か書きました。

 

あれだけ書いたんだから防大’出身’かと思いきや、

実は4日で辞めてるんです。

 

今回は、なぜそんな短期離職みたいなのをしたのかという言い訳の回です。

 

「結局は根性なかったんでしょ!?」っていわれたらそうなんですが、

だけでは粗すぎるので、より深掘りしたいと。

 

 

内定ブルー

 

内定ブルーってありますよね。

 

就活した学生が内定を得たら、逆に落込む…

 

当時の私も’内定ブルー’でした。

 

ていうのも、そもそも防大は第1志望じゃなかったんです。

 

先にも書きましたが、当時の私の第1志望は、防衛省の背広組であって、自衛官という制服組ではなかったのです。

 

で、まあ…なぜこんな考えになったのか不明ですが、

3月末の金曜ロードショーがパイレーツオブカリビアンだったんです。

 

その金曜は2話が放送されてましたが、

船がクラーケンに襲われて、船員がばったばった死んでったんです。

 

その映像を見て「私も戦になったらこんな風に軽々しく殺されるのかなあ」なんて思ったりしてね。

 

パイレーツオブカリビアンって戦映画でもないんですが、

そんな妄想したり…

 

着校前から既にやばかったんです。

 

 

防大の厳しさ

 

防大というと、自衛隊の学校ですから、「訓練が厳しいんじゃないか?」とか想像されるかもしれません。

 

ですが厳しい学校というのは、強豪の野球部がそうですが、

野球そのものより寮生活だったりします。

 

防大もそうで、勉強も訓練も甘くはないんでしょうが、

防大生活の肝というか、何が1番厳しいかといえば、学生舎生活じゃないでしょうか!?

 

学生舎というのは寮です。

 

学生舎では、’下級生に人権なし’といわれるぐらい厳しいです。

 

何かと理由つけられては怒鳴られます。

 

更に更に、掃除と点呼では、輪をかけて怒鳴られます。

 

私の代、私の中隊で、着校生が初めて防大の本性を垣間見たのは、着校日の夜の点呼でした。

 

着校生は点呼には加わらず、横から見ます。

 

そしたら上級生がいきなり、下級生(恐らく2年)を「服にしわがあった」として怒鳴りつけました。

 

他の着校生がどう思ったかは知りませんが、

その瞬間、私は震上りました。

 

こういう学校なんだ! と…

 

 

厳しさに耐えれる自信がない

 

そりゃあ自衛隊の学校ですから、多少は覚悟してます。

 

けど、いざ着校すると、やはり全く異なります。

 

最初は教官が厳しいのかと想像してましたが、

士官学校は教官より先輩が厳しいんですね。

 

服とか、物の置き方とか、何かと理由つけられてはどやされます。

 

自衛隊は服に煩いですから、

しわがちょっとでもあろうもんなら、凄惨に怒鳴られます。

 

当時はただただ恐いとしか自覚してませんでした。

 

だけど今からすれば、なぜそこ迄いわれなきゃいけないんだ!?って疑念はあったかもしれません。

 

服のちょっとしたしわだの、

歯ブラシの置き方だの、

幾ら厳しいとはいえ、そこまで厳しくされなきゃいけないのかな!?と…

 

防衛と何の関係があるか分らなかったですからね。

 

 

厳しく指導できる自信がない

 

時がたてば下級生も上級生になります。

 

下級生はしごかれますが、

上級生になるとしごく側になります。

 

当時の私はしごける自信もなかったです。

 

生活の細部に渡る指導は、正直私はされたいとは存じません。

 

己がされて嫌なのを人にできるかというと、なかなかできないですよね。

 

まあ1年間しごかれ続ければ、逆に「上級生になったら下級生をしごくぞ!」ってなるのかもしれませんが、

仮の話は不明です…

 

 

勉強と両立できる自信なし

 

厳密には防大は’大学’ではありませんが、一般の大学と同じく単位認定や卒業があります。

 

単位が認定されなければ、留年もあります。

 

詳しくは忘れましたが、2回留年すると強制退校になります。

 

服のしわ1つでピリピリする環境で、ちゃんと勉強できる自信がなかったんです。

 

本命の大学を蹴ってるならまだしも、

防大をたまたま辛うじてまぐれで受かっただけでは、

あれやこれやしつつ単位とれる自信がなかったんです。

 

万一、廿才で強制退校とかなると、その後の大学受験やら就職やらに大きな影響がでますからね…

 

だったらやり直し効くうちに一般の大学へ…って考えになりました。

 

防大では4/1の着校から、正式入校(4/5とかだったかと)まで数日あり、

この数日は正式な自衛隊員じゃないので、「辞める」といえば即、帰れます。

 

ですが1度、正式に入校すると、辞めるのにとても時間が掛るそうです。

 

着校日の夜に説明されたのは、「一旦入校すると、辞めるのに早くても1月、1年かかったのもある」と。

 

だから「無理だと思ったら正式入校の前に辞めた方がいい」と。

 

なので私も正式入校せず辞めました。

 

この数日は辞める着校生が2百人とかいるみたいですが、

そういうからくりもあって辞める着校生が多いのです。

 

 

コンフォートゾーン

 

心理学でいう「コンフォートゾーン」とは、

「居心地のいい環境」をいうそうです。

 

‘居心地のよさ’とは?は人によって異なり、

場所だったり人間関係だったり。

 

人生を変えるにはコンフォートゾーンを変えるべし!といわれます。

 

ですが私にとって防大はとても過激でした。

 

高校も電車どころかちゃりすら乗らないぐらい近い高校で、

部活も入らず、

凡くらというか、寧ろ隠居生活に近かったのが、いきない防大ですから、かなり急激ですよね。

 

さらっと順応できる人もいるんでしょうけど、

私はだめでしたね。

 

加えて防大は幹部自衛官を育てます。

 

幹部は、日本の歴史に重要な選択や行動するのが、ありえますから、

受験しようと思った折には格好よかったんですが、

いざ入校となると、寧ろ恐怖で…

 

そういう家に生まれたんでもない、

凡くらのやや下ぐらいの生活しかしてない、

そんな人が歴史の表舞台に立つという…

 

此は、なってみないと分らない恐怖ですね。

 

しかも全員が怯えるかというとそうでもないので、

経験したとて分らない人には分らない気持ちですし。

 

 

防大を目指す皆さんへ

 

以上が当時の私の’弱さ’です。

 

根性なし!とか、そういうの色々言われるかもしれません。

 

ですが防大に入らなかった人が、己の弱さを告白するのはなかなかないと存じます。

 

己でも負い目ありますし、叩かれ易いですし…

 

情報社会ですから、卒業した人の発信には触れる機会もあるでしょう。

 

其は其で貴重ですし、有難くもあります。

 

ですが、そうじゃなかった人の発信も、私なら受信したいですね。

 

特に、防大を目指したり、実際に入校するとなったら、

うまくいった人の話や、いい面ばかりより、

実態を知りたいと思うじゃないですか。

 

なので告白しました。

 

いっても十年以上前ですし、古くて参考にならないかもしれませんが、

入校してもしなくても、決る助けになれば幸です。

 

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