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人権の制約原理

人権の内在的制約とは、人権が、他人の人権を侵害しない限度で保障される、という制約です。 自由国家的公共の福祉、又は消極目的規制とは、害悪発生防止が目的です。 社会国家的公共の福祉、又は積極目的規制とは、積極的価値の創造が目的で、往々にして弱者保護が伴います。 比較考量論は、人権の制限によって失われる利益と得られる利益を比較します。然し、基準が不明確で、少数派の利益が害されます。 2重の基準論は、精神的自由の制約には裁判所が積極的に審査しますが、経済的自由の制約は政治部門の判断を尊重します。これが妥当する理由として、まず2当事者対立構造か政策判断かという裁判所の能力論、民主制の過程で回復可能かという民主制の過程論、の根拠があります。
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戦争には3つの種類がある ニカラグア事件 わかりやすく

ニカラグア事件で、国際司法裁判所は軍事活動について3分類しました。正規軍、又はそれに準ずる武装勢力の派遣に実質的に関与する武力攻撃(Armed Atack)、他国の反政府勢力の武装化や訓練等より重大性の劣る武力の行使(Less Important Use of Force)、他国の反政府勢力への武器供与や資金•情報援助等の違法な干渉(Illegal Intervention)です。この3分類から、憲法9条の武力行使に該当しない軍事活動があると解釈できます。
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エンテベ空港事件

エンテベ空港事件では、イスラエル人がたくさん乗った飛行機がハイジャックされ、ウガンダのエンテベ空港に着陸させられました。ウガンダとの人質解放交渉が難航し、遂にイスラエルは救出部隊を組織します。イスラエルはエンテベ空港を強襲し、わずか53分の内に人質の殆どを救出するという、映画のような事をやってのけました。 国際法的には「在外自国民救出活動」とよばれます。イスラエルは自衛権の行使と主張していますが、学説上は自衛権ではないとする説が有力です。
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武力行使の禁止

武力紛争は、連盟規約、不戦条約をへて、国連憲章で武力行使禁止原則が確立されました。武力行使禁止原則の例外には、自衛権と安保理の決定があります。 軍縮の動きとして、海軍軍縮条約、部分的核実験禁止条約、核不拡散条約等があります。 安全保障には、勢力均衡と集団安全保障があります。 PKOは、停戦維持や紛争再発防止等が目的で、 武器使用は最小限度。紛争当事国の同意なしには派遣できません。当事国のどちらにも組みしませんし、内政にも干渉しません。 自国の法益を守る為、緊急不可避の際に実力で他国の攻撃を排除する権利を自衛権といいます。直接攻撃を受けていない国も集団的自衛権によって反撃できます。 武力紛争法は敵対行為実施に関するヘーグルールと、戦争犠牲者保護に関するジュネーブルールに分かれます。 中立国には避止義務、防止義務、黙認義務があります。 核兵器の威嚇•使用は、国際人道法に一般的には反しますが、自衛の極端な状況での核兵器使用は、合法か違法か結論できません。
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国際紛争の平和的解決とは

紛争の平和的解決として、主に裁判手続と非裁判手続にわけられます。 非裁判手続では、国家間相互のものとして、交渉、周旋、審査、仲介、調停があります。 国際組織として、安保理、国連総会、事務総長、地域的機関が介入します。 裁判手続には、国際仲裁裁判と国際司法裁判があります。 国際司法裁判は、付託合意、応訴、裁判条約•裁判条項、強制管轄受諾宣言によって始まります。 手続きとして、第3国の訴訟参加、先決的抗弁、仮保全措置があります。 判決、又は勧告的意見が判示されます。 紛争解決機関の関係は多元的です。
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国に責任を取らせる! 国家責任法 わかりやすく

国家の国際責任の発生には、発生→追及→解除の3段階があります。 発生の要件として、主観的要件、主体的要件、客観的要件の3つがあります。 但し、違法性阻却事由があると、国家責任は発生しません。 追及には主に外交的保護権による追及と、国際社会の一般利益の侵害に対しての追及があり、外交的保護権では、国内的救済完了の原則を満たす必要があります。 解除には、原状回復、金銭賠償、満足があります。
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条約法をわかりやすく解説

条約とは、国際法によって規律される国際法主体の文書の合意です。 署名や批准が必要ですが、これらを満たすと名称の如何を問わず条約です。 これらを満たさず、法的拘束力がないものは非法律的合意とよばれす。 条約は、基本的には加盟国だけを拘束しますが、例外的に第3国を拘束する場合があります。 留保とは、特定の規定を排除又は変更する事です。 解釈宣言とは、特定の条項で複数の解釈が可能な場合、自国が採用する解釈を表明する宣言です。 条約の無効原因には国内法違反、瑕疵があり、瑕疵には更に錯誤、詐欺、買収があります。 条約の解釈には主観的解釈、客観的解釈、目的論的解釈があります。 条約の終了原因には、当事国の合意、合意によらない原因として、重大な違反、事情の根本的変化、外交領事関係の断絶、新強行規範の成立があります。
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外交官と領事官の違いに関する国際法

今回は外交領事関係法についつ書いています。 外交使節団の任務は 1.代表機能 2.報告機能 3.推進機能 があります。 外交関係は、接受国のアグレマンに始まり、 ペルソナ•ノン•グラータの通告や派遣国の召還で帰国します。 領事は外交使節団とは別物で、 1.保護任務 2.促進任務 3.行政機関事務 があります。 特権免除とは、外交特権ともいい、 接受国から逮捕や裁判にかけられない権利です。
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